病院に併設されたカフェの物語です。
店内だけの話かと思ったら、そこに来るお客さん何人かのエピソードになっていて
大きな事件が起こるわけではないのですが考えさせられるお話ばかりでした。
読み終わってからしばらくは「知らぬうちに介護役にされている」の一文が忘れられませんでした。
若い時は考えもしなくて、自分からは遠い所にあると思っていた「病」。
歳を重ねていくと、ある日突然それがやって来て「介護」という逃れられない現実がやってくるのです。
特にひとり娘の場合、絶対に避けて通れない道になるので
親の介護をしていた登場人物のエピソード部分を読んでいると、少し憂鬱になってしまうのでした。
そんな重い話もありつつ、クリスマスには心があたたまる不思議な事も起こったりして
読み終わる頃にはホッとして本を閉じることができました。
それにしても、カフェで働く村上くんは絶対イイ男だと思う。
彼にまつわるエピソードがあまり無かったのが残念!