雑記帳

つれづれなるままに

【読了#12】池井戸潤 空飛ぶタイヤ

 

空飛ぶタイヤ 上下合本版

空飛ぶタイヤ 上下合本版

 

「リコールなんて、どこの会社でもあることですから」

と、以前某ディーラーの営業マンが開き直って言っていたのを思い出す。

リコール隠しで信用を失った会社の一員が、当たり前のように言っていいのか…?

ディーラーは売ってるだけだから関係ない、むしろ被害者だ、みたいな態度に呆れたのをよく覚えてる。

末端のユーザーは営業マンの対応が全てなので、この会社との付き合いもこれまでだなと距離を置くようになった。

 

グループ会社っていうのは本当に素晴らしいシステムで、自動車部門に負債が発生してもすぐに補える。

財閥って素晴らしい。

反省もせず、のうのうと営業を続けられる。

私達は何度あの会社の不祥事をニュースで見たことだろう。

 

大企業の悪に立ち向かう人。

不祥事があっても会社に残る人。

不祥事を隠そうと躍起になる人。

その家族。

被害者。

 

最後はちゃんと善人が報われる結果になったけれど、結局その企業は倒産することはない。

えらい人が交代したって、会社の根元が腐ったままなのだから何も変わらないんだと思う。

読み終えてスッキリするどころか、いまだに不正を続けてケロッとしているのを思うと少しモヤモヤしてしまう作品だった。

 

次はもっと気軽に読める本を選ぼう。